独居老人が健康状態をケアマネージャーや遠方の家族に知らせるためのシステムやサービスは、近年非常に多様化していまが、もっと良いシステムの提供を模索しています。
ウォッチドッグタイマー(WDT)とは、マイコンが正常に動いているかを見守る「番犬」のような機能です。プログラムの「暴走」といった異常を検知すると、マイコンを自動でリセット(再起動)させ、システムの安定性と信頼性を高めます。
ウォッチドッグタイマーと似たような仕組みで見守りサービスを実現するというのが今回のアイデアです。
簡単に言えば、独居老人が定期的にボタンを押さなければ「異常時」としケアマネージャーや遠方の家族に知らせるシステムです。
サービスで考えるべき3ポイント
1.通知のタイミング:「異常時」と「日常の様子」の両方
2.通知先:家族だけでなく、ケアマネージャーやヘルパーとも情報共有したい
3.費用:コストを抑えたい気持ちと、安心感のバランス
システムイメージ図

これまでの取り組み
体調を告知するために使用するディバイスは、市販のスマートスピーカでも良いのではないかと考えたがディバイスに信頼性がないという指摘を受けてアプリのリリースに至らなかった。
M5Stackに仮想ボタンを設定し、クラウドへデータを送信しデータベースに記録しWeb表示させるテストを行った。
実現可能性
システムの構築について
技術的には、既存の技術を使うので容易。そのため参入障壁が低いので危険性がある。そのためスイッチングコストなどを考慮した顧客獲得戦略が必要。
システム運用上の問題
サービスを継続して提供するのなれば、システムを維持するための人件費などの固定費や顧客獲得のための広告費が必要になる。
市場規模
シード・プランニングの調査(2021年版):
2020年の高齢者見守り・緊急通報サービスの市場規模は262億円。
2030年には381億円に拡大すると予測されています。
富士経済の調査(2021年版):
施設用見守りシステムは2019年の60億円から2030年には120億円に(2.0倍)拡大すると予測。
在宅用見守りシステムは2019年の7.8億円から2030年には18億円に(2.3倍)拡大すると予測。
在宅用見守りシステムは、7.8億円、月額ベースで6千5百万円
日本の独居老人の数
2020年には672万人に達しました。
今後も増加が見込まれており、2040年には896万人に達すると推計されています。
製品の製作ステップと必需品
製品製作は、大きく「①電子回路の設計・製造」「②筐体の設計・製造」「③組み立て・調整」の3つのステップで進みます。
- 電子回路の設計・製造
設計: 回路設計CAD、、ワークステーション
測定: マルチメーター、オシロスコープ、ロジックアナライザー
材料・サービス:
部品: マイコン、センサー、抵抗、コンデンサなど
基板: PCB製造サービス (設計データを送って基板を製作)
- プラスチック筐体の設計・製造
基板を保護し、外観を整えるケースを作成する工程です。
設計: 機械設計用CAD、ワークステーション
試作: 3Dプリンターと専用フィラメント
量産: CNC切削 (小ロット)、射出成形 (大ロット)
- 組み立てと最終調整
基板と筐体を組み合わせて製品を完成させる工程です。
はんだ付け用具: はんだごて、こて台など
手工具: 精密ドライバー、ニッパー、ペンチ
加工用具: ドリル、やすりなど
必要な材料:ネジ、ケーブル、接着剤など
資金調達に関して
プロジェクトが黒字になるまでの期間は、事業内容、業界、資金調達の状況、経営戦略など、様々な要因によって大きく異なります。しかし、一般的な傾向として、平均的には3年~5年と言われることが多いです。
人件費
プロジェクトマネージャー・リーダー: 650万円〜890万円台
電子回路エンジニア: 500万円台〜800万円台
クラウドエンジニア: 660万円前後
カスタマーサポート: 約463万円前後
経理: 約443万円前後
役員報酬
支払顧問料(弁護士、税理士)
法定福利費(社会保険料など)
福利厚生費
3年の人件費(概算)
2億円
その他
地代家賃
賃借料
宣伝広告費
資金調達計画
1.プレシード / シード / エンジェルラウンド
時間:数ヶ月〜1年
事業アイデアの創出、プロトタイプ開発、市場調査
資金調達額の目安:数百万円〜数千万円
主な調達先:個人投資家(エンジェル投資家)、クラウドファンディング
2.シリーズA(アーリーステージ)
時間:3年後(開発期)
プロトタイプの完成、サービスリリース、初期顧客の獲得、ビジネスモデルの検証
主な資金使途:製品開発の本格化、マーケティング・営業活動、チームの増強
資金調達額の目安:数千万円〜数億円
主な調達先:ベンチャーキャピタル(VC)、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)
3.シリーズB(ミドルステージ)
時間:4年後(成長期)
顧客基盤と売上が確立し、事業が安定
主な資金使途:事業のスケールアップ、新規事業の立ち上げ、海外展開、人材確保
資金調達額の目安:数億円〜数十億円
主な調達先:大規模VC、CVC、金融機関からの融資
4.シリーズC以降(レイターステージ)
時間:5年後(成熟期)
事業が成熟し、IPO(株式公開)やM&A(事業売却)などの出口戦略(EXIT)
安定的な収益を確立
主な資金使途:新規市場への進出、事業の多角化、大規模な設備投資、M&A
資金調達額の目安:数十億円〜数百億円以上
主な調達先:大手VC、プライベートエクイティファンド(PEファンド)、事業会社
既存の見守りサービスの費用帯別のプラン例
【プランA】コスト最優先プラン(月額:約0円~3,000円)
「最低限の異常検知」と「手動での日常確認」を組み合わせる方法です。
サービス内容:
異常時の通知:自治体の「緊急通報システム」(無料~月額数百円)を導入。本人がボタンを押せば、消防や協力員に通報されます。
日常の様子:電力センサー(月額1,000円~)などを利用。ポットの使用状況や家電の使用履歴がメールで家族に届きます。ケアマネ等への共有は、家族がその情報を転送する形になります。
通知の仕組み:
何を:【異常時】本人の通報、【日常】家電の使用履歴(元気のしるし)
誰に:【異常時】消防・協力員 → 家族、【日常】家族(契約者のみ)
どのように:【異常時】電話、【日常】メール
メリット:
費用をかなり抑えられる。
自治体のサービスは、地域の見守りネットワークと連携している場合がある。
デメリット:
情報共有が手間:ケアマネ等への共有は家族が手動で行う必要があり、リアルタイム性に欠ける。
本人が意識を失った場合など、ボタンを押せない緊急事態には対応できない。
複数のサービスを組み合わせるため管理が煩雑になる。
【プランB】バランス重視プラン(月額:約3,000円~7,000円)
「センサーによる自動見守り」と「緊急通報」がセットになった、最も標準的なプランです。
サービス内容:
人感センサーや開閉センサーで生活リズムを自動で見守り、「一定時間動きがない」等の異常を自動検知。
ペンダント型の緊急ボタンもセット。
Webサイトや専用アプリで、家族やケアマネが同じ情報を共有できる機能 が付いていることが多いです。
通知の仕組み:
何を:【異常時】センサーの異常検知、緊急ボタンの押下、【日常】センサーの反応ログ(起床、トイレ利用、外出など)
誰に:家族、ケアマネ、ヘルパーなど(事前に登録した複数人に同時通知可能)
どのように:メール、アプリ通知、電話(緊急度による)
メリット:
「異常時」と「日常の見守り」を1つのサービスで両立できる。
関係者への情報共有がスムーズ。 ケアマネが客観的なデータ(活動量など)を元にケアプランを検討しやすくなる利点も。
本人が意識を失ってもセンサーが異常を検知してくれる可能性がある。
デメリット:
プランAよりは費用がかかる。
警備員の「駆けつけ」を付けると、さらに料金が上がる。
代表的なサービス例:
【プランC】手厚い安心プラン(月額:約7,000円~)
プランBの内容に加え、「警備員の駆けつけ」や「24時間健康相談」を標準で付けたプランです。
サービス内容:
プランBの機能に加え、異常検知時や本人の要請で警備員が自宅まで駆けつけてくれるサービス。
看護師などによる24時間365日の電話健康相談が付帯していることが多い。
通知の仕組み:
プランBと同様ですが、緊急時には警備会社が状況を確認し、必要に応じて救急車の手配や家族への連絡を的確に行ってくれます。
メリット:
安心感が最も高い。 遠方の家族がすぐに行けない場合でも、プロが一次対応してくれる。
ちょっとした体調不良でも気軽に専門家に相談できる。
デメリット:
月額費用が高額になる。
過剰なサービスにならないか、本人の状態と照らし合わせて検討が必要。
まとめ
プランA: コスト最優先 0円~3,000円(月額目安)
通知内容:異常(手動)+日常(限定的)
情報共有のしやすさ:△(手動で共有)
こんな方におすすめ
・とにかく費用を抑えたい
・家族がマメに情報共有できる
プランB: バランス重視 3,000円~7,000円(月額目安)
通知内容:異常(自動)+日常(詳細)
情報共有のしやすさ:◎(システムで自動共有)
こんな方におすすめ
・ご要望に最も近い・客観データで多職種連携したい
プランC: 手厚い安心 7,000円~(月額目安)
通知内容:異常(自動)+日常(詳細)+駆けつけ
情報共有のしやすさ:◎(システムで自動共有)
こんな方におすすめ
・持病があり転倒リスクが高い
・家族が遠方ですぐに駆けつけられない